畳の張替えの費用・時期は?新調・表替え・裏返しとは
日本人にとって畳は馴染み深い床材です。いぐさの香りが心を落ち着かせてくれますよね。畳のお部屋を使う機会が多い方は、表面がぼろぼろになってきたり、色褪せてきたり、日々気になることはあると思います。今回は、畳について理解を深め、必要に応じて適切な対応をし、畳を大切に使っていきましょう!
目次
畳の張替え・交換の目安時期
畳の張替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3種類の方法があり、この順に施工にかかる手間や料金も増していきます。
裏返し | 2〜5年 |
表替え | 4〜7年 (裏返しをしている場合は5年) |
新調 | 10〜15年 |
畳の構造・部位(畳表・畳床・畳縁)について
畳の構造は非常にシンプルで、どの製品も使用する部位にほとんど違いはありませんが、素材のグレードによって仕上がりや耐久性に差が生じます。
畳表
畳表(たたみおもて)とは、平行に張られた経糸(たていと)に対し、いぐさを緯糸(よこいと)として交互に織り込んで作った「ござ」のことで、畳の表面を覆うために使う物です。
経糸には主に、麻や木綿が使用されます。
保温性・断熱性があり、湿度を調節し、さらに消臭効果や空気清浄効果、いぐさの香りによるリラクゼーション効果などがあります。
織り込むいぐさの本数が多いほど質が良く、また経糸の素材に綿よりも麻を採用している畳表のほうが高級です。
最近では、安価な中国産のいぐさを使用した製品が増えていますが、いぐさの生育状態や加工の仕方に偏りがあるため、国産のいぐさのほうが耐久性も仕上がりの美しさも良いとされています。
一方で、風合いよりも耐久性を重視した物として、和紙やパルプ、化学繊維でまるでいぐさのように仕上げた畳表も生産されています。
畳床
畳床(たたみどこ)は、畳の中心部分です。
畳表を張る芯として使用されており、畳の弾力を左右します。
基本は、稲藁(いなわら)を何層にも重ねて圧縮して縫い上げた「藁(わら)床」が使用されており、稲藁の品質によって等級が分かれ、一般的な住宅には二級品が広く普及しています。
ただし、近年は畳の軽量化や稲藁の生産量の減少などを理由に、ポリスチレンフォームなどを主材料とした「建材床」や、ポリスチレンフォームや木質繊維を圧縮したインシュレンボードを藁と藁の間に挟んだ「藁サンド床」といった畳床が増えています。
畳縁
畳縁(たたみべり)とは、畳の側面に縫い付けてある生地のことで、畳表の補強や畳同士の隙間を埋める役割を担っています。
また装飾のために用いられる物でもあり、無地の物から細かい柄がある物まで、非常に豊富な種類のデザインがそろっています。
畳の裏返しにかかる時間・費用相場
畳の張替え方法は、畳表・畳床・畳縁、いずれの箇所の交換が必要かによって、「裏返し」「表替え」「新調」に分類されます。
裏返しは、既存の畳表を裏返して再利用する方法です。
畳縁をはがし、畳床に固定している糸もはずす作業も伴うため、側面の畳縁は新しい物へ交換することになります。
2~5年くらい使用して、こすれた傷や日焼け跡が目立ってきた畳に適した工法です。
ただし裏側にまでシミや日焼けなどが付いている場合や、すでに5年以上使用している畳の場合には、裏返しではなく「表替え」が推奨されます。
裏返しの施工価格 | 4,000円前後/畳 |
「裏返し」の料金は、1畳あたり4,000円前後と、畳の張替えの中では一番手間がかからず低価格です。作業は、ほとんどの場合は一日で済みます。
ちなみに、業者が畳を工場に持ち帰って作業し、完了後に納品する方法が一般的です。
畳の表替えにかかる時間・費用相場
畳表と畳縁を新しくする方法で、畳床は既存の物をそのまま利用します。
見た目は新品のようになりますが、畳床は同じ物なので、踏んだ時の感触は変わりません。
4~8年くらい経った畳や、一度裏返しを行ってから5年程度経過した場合に適しています。
ささくれ立ったいぐさが衣服に付着するようになってきたり、畳の光沢がなくなってきたりした際には、表替えを検討することをおすすめします。
表替えの施工価格 | 5,000円前後/畳 |
表替えにかかる費用の目安は、1畳につき5,000~20,000円前後ですが、畳表のグレードによって変動します。
主に、いぐさの産地・品質・使用量など、様々な点でランク分けされており、品質が良いほど耐久性が高く、キレイに変色していきます。
また、畳の種類は戸建て用やマンション用などにも分かれているため、それによって施工価格も変わります。
特にマンション用の物は、低価格で済むケースが多いです。
なお表替えの作業時間は、裏返しと同様で、畳を業者の作業場に一度持ち帰るケースが多く、ほとんどの場合は一日で完了します。
畳の新調にかかる時間・費用相場
畳表・畳床・畳縁の全てを新しくする方法で、畳が完全に生まれ変わるため、見た目も感触も香りも一新されます。
畳を敷いてから10~15年くらい経った頃が、新調するタイミングです。
畳がへこんできた場合はもちろん、ダニが気になる際や、お部屋の雰囲気を変えたい時などに新しくするのも良いでしょう。
新調の施工価格 | 10,000〜35,000円/畳 |
畳を新調する値段は、1畳につき10,000~35,000円程度ですが、畳表・畳床・畳縁のグレードがどのくらいかによって価格が大きく異なり、高級品であればさらに高額になります。
ちなみに、新調する場合は、既存の畳を業者が採寸に来た上で、新しい畳が完成してから入れ替えます。
裏返しや表替えのように、「作業期間中は畳がない」という状態にはなりません。
施工にかかる日数は、2~10日くらいが目安です。
一見同じように見える畳でも、いぐさの質や、戸建て用かマンション用かといった違いによって料金は変動します。
また何年使用したかにかかわらず、畳の状態によっては、いずれの方法が適切か、素人の方では判断が難しい場合もあります。
最終的には、畳のリフォームに詳しい業者と相談しながら、予算に合わせて最適な工法やデザインを提案してもらうと良いでしょう。
【この記事のまとめ】
①畳の張替えの時期は?
畳の張替え方法には、裏返し・表替え・新調の3種類があります。
「2〜5年で裏返し」「4〜7年(裏返ししてから5年)で表替え」「10〜15年で新調」すると良いでしょう。畳の張替え時期についてはこちらをチェック!
②畳表・畳床・畳縁とは?
「畳表」は、畳の表面を覆う「ござ」の部分。
「畳床」は、畳の中心部。
「畳縁」は、畳の側面に縫い付けてある生地のことです。畳表・畳床・畳縁についてはこちらをチェック!
③畳の張替えの時間や費用は?
「裏返し」は、ほとんどの場合は一日で施工でき、料金は1畳あたり4,000円前後です。
「表替え」も、一日で作業完了することが多く、価格は1畳につき5,000~20,000円前後です。
「新調」は、作業期間は2~10日くらいで、値段は1畳につき10,000~35,000円程度(高級品を用いる際はさらに高額)です。
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