クロスリフォームの費用相場 壁紙張り替えの失敗例と対策8選!
部屋の中で最も大きな面積を占める壁は、まさに部屋のイメージを決定づける大きな要素です。
今回は、壁紙リフォームの費用相場と注意点や、よくある失敗例とその対策についてご紹介します。
目次
- クロス(壁紙)張り替えの費用相場
- クロス(壁紙)張り替えのメリット・デメリット
- クロス(壁紙)の素材・デザイン・機能性による違い
- クロス(壁紙)張り替えの時期とポイント
- クロス(壁紙)張り替えでよくある失敗例と対策8選
クロス(壁紙)張り替えの費用相場
壁紙のリフォーム費用は、張り替えるクロスのグレードにもよりますが、基本的には1平米あたり1,000~1,500円です。
安価な量産品であれば、1平米につき800円程度で収まることもあります。
また、廃材処分費が一式で2,000円程度プラスで発生することがほとんどです。
さらに、タンスやピアノなどの家具を移動してもらう場合には、家具1点につき2,000円以上の作業料金がかかります。
ご自身で部屋にある物を運べるようであれば、施工前に移動しておきましょう。
壁紙張り替え費用の表記に注意
壁紙の工事費用を比較する際には、表記されている単位を確認してください。
「6帖で〇円」という価格で案内している業者が増えていますが、「帖」とは床面積を表す単位です。
しかし実際に施工する壁の面積は、天井の高さによって変動します。
天井が高い部屋の場合、一律料金で済むとは限りません。
また、天井のクロスを一緒に交換するかどうかでも、総額費用が変わります。
見積書で提示されている金額が、天井も含まれる料金か、壁のみ張り替えの値段であるのかも確認しましょう。
また、「平米(平方メートル)」か「m(メートル)」か、という点も気を付けなくてはいけません。
「平米」記載については、そのまま1平方メートルあたりの費用と解釈すれば良いので、わかりやすいです。
一方、「m(メートル)」記載は、1mあたりの費用ですが、問題となるのは幅です。
一般的に壁紙はトイレットペーパーのようにロール状になっており、その幅は約90cmです。
そのため、壁紙1mというのは、100×90cm=0.9平米です。
例えば、2社から見積書をもらった際に、
・A社では「1,000円/平米」
・B社では「1,000円/m」
と記載されていたとします。
一見、まったく同じ金額だと勘違いしてしまいそうですが、実際に9平米の壁を施工した場合、総額費用は以下のようになる可能性があります。
(※窓や押し入れなどがあることにより、実際に施工する壁の面積は部屋によって異なります。以下は一例です。)
単位 | 基準単価 | 9平米の費用 |
平米(㎡) | 1,000円/平米 | 9,000円 (高さ0.9m×幅10mは9平米で計算する) |
m(メートル) | 1,000円/m | 10,000円 (高さ0.9m×幅10mは10mで計算する) |
m(メートル)単価の表記には、このような落とし穴があります。
複数社の見積書を見比べる際には、ぜひ注意してくださいね。
クロス(壁紙)張り替えのメリット・デメリット
壁紙を張り替える際は、メリットとデメリットを把握することが重要です。
メリットだけではなくデメリットも把握しておかなければ、予想外の事態が起こった際に壁紙を剥がさなくてはいけなくなるリスクが高まります。
以下では、壁紙を張り替えるメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
・安価で施工できる・室内のデザインを変えられる
メリットは主に2つです。
壁紙を張り替えることで室内のデザインが変えられるため、気分転換になるほか、汚れた壁材を交換したり隠したりできます。
また、壁紙の張り替えは塗料や塗り材と比べて特に安価です。
壁材を安く交換したい場合には適した工法でしょう。
デメリット
・劣化しやすい
・耐水性が低い
壁材を壁紙にする場合のデメリットは以下の2つです。
また、カビも生えやすくなるでしょう。
壁紙は劣化しやすいというデメリットもあります。
耐水性が低いため湿気に弱いこともありますが、糊で付着しているだけなので、年月が経過すると徐々に剥がれてきます。
クロス(壁紙)の素材・デザイン・機能性による違い
壁紙は素材・デザイン・機能性によって種類分けできます。
種類を知っておけばご自宅の部屋の壁に適したクロスが見つけやすくなるでしょう。
以下で、それぞれの種類を解説していきます。
素材による違い
一般社団法人日本壁装協会の「壁紙生産出荷量統計データ(2019年度)」 によると、壁紙の素材を種類別に大別すると以下の6つになります。
・塩化ビニル樹脂
・プラスチック
・無機質
・紙
・繊維
・その他
塩化ビニル樹脂系の壁紙はビニール製で、国内の出荷量の91%以上を占めるメジャーな壁紙です。
安価で耐久性もあり水にも強いためよく利用されています。
プラスチック系の壁紙は、塩化ビニル樹脂同様に汚れや水に強いうえ、傷がつきにくいメリットがあります。
国内出荷量の約7.8%がプラスチック系の壁紙です。
無機質系の壁紙は漆喰や珪藻土、ガラスなどで作られています。質感やデザインが良く、個性的な壁を作りやすいです。
国内出荷量の約0.3%が無機質系の壁紙です。
紙系の壁紙は、和紙や輸入紙といった紙で作られています。ぬくもりを感じやすいデザインが特徴です。
国内出荷量の約0.5%が紙系の壁紙です。
繊維系の壁紙は、植物繊維や化学繊維などで作られています。濡れても破れにくい特徴があります。
国内出荷量の約0.16%が繊維系の壁紙です。
その他の壁紙には合成紙といった例があります。
その他の壁紙は国内出荷量の約0.08%を占めています。
デザインによる違い
壁紙のデザインは多種多様なため、以下では一部の例だけを紹介します。
ご自宅に適したデザインを見つける参考にしてみましょう。
・木目柄
・レンガ柄
・コンクリート柄
・花柄
・塗り壁柄
木目柄は、木材の雰囲気を感じられるため落ち着いた印象を与えられます。
レンガ柄はレトロな印象を与えるため、洋風な室内にできるでしょう。
コンクリート柄は無機質な印象を与えるため、クールな部屋を演出したい場合に適しています。
花柄はポップな印象を与えられるため、子供部屋に向いているでしょう。
塗り壁柄は、まるで塗り壁にしたように凹凸がある壁紙です。
個性的なデザインを演出しやすいメリットがあります。
他にもデザインがあるため、ご自身で調べてみるのも良いでしょう。
機能性による違い
素材やデザインに比べるとあまり重視されませんが、壁紙には特定の機能を備えた商品があります。
機能性の例には以下があります。
・ペット対応
・省エネ
・抗アレルギー・抗ウイルス
・カビ・結露防止
・蓄光
・落書きOK
汚れや傷に強く、ペットを飼うことを前提としている壁紙があります。
また、光を反射しやすくして明かりを最小限で済ませる機能を備えた種類もチェックしてみましょう。
花粉やダニなどのアレルギー物質の動きを制限したり、抗ウイルス効果が期待できたりする壁紙もあります。
調質性によってカビや結露対策ができる種類も要チェックです。
特殊な機能としては、光を溜め込んで暗闇で発光する商品、黒板のようにチョークで字を書いたり消したりできる壁紙もあります。
クロス(壁紙)張り替えの時期とポイント
一般的に壁紙の張り替え時期は5〜10年と言われています。ただ、汚れや傷が目立つようになってきたら見栄えが悪くなるため交換したほうが良いでしょう。
また、水で濡れてしまった場合は内部のボードが腐食するおそれがあるため、なかなか乾燥しない場合は早急に張り替えすることをおすすめします。
壁紙クロスの交換リフォームをする時には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
壁紙クロスは全体的に交換するのがおすすめ
壁紙の交換は、汚れや破損が気になる箇所のみ実施したい方が多いと思います。
しかし一部のみの壁を新しくすると、交換しなかった別の壁紙の汚れや古さが極端に目立ってしまい、色のバランスも悪くなってしまいがちです。
天井のクロスを考え忘れてしまうことも多いので、注意したいところです。
どのようなリフォームであっても、職人さんの出張費が別途かかります。
できれば壁紙クロスの交換はまとめて行っておくと、結果的に料金がお得になり、家全体のカラーや質感も統一しやすいので、おすすめです。
壁紙の張り替え前に、照明・家電・窓枠の交換も検討を
同様の理由で、壁紙だけがきれいになってしまうと、壁まわりの窓枠などの古さが目についたり、室内にある照明・家電との相性が悪く、後から気になってしまったり、というミスも非常に多いようです。詳細は後述しますが、クロスを張り替えた後に移動作業や追加工事をすると、かえって手間になってしまいます。
エアコン・冷蔵庫などの買い替えや、窓枠・ドア枠などの交換をする可能性がある場合には、壁紙の張り替えと同じタイミングで実施しておきましょう。
壁紙リフォーム経験が豊富な業者に依頼する
壁紙リフォームにおける失敗は、業者による施工不良のほか、施工後の注意点についての説明不足、デザインについてのアドバイスが足りなかった、という理由によるものが数多くあります。
クロスの張り替えは、壁紙リフォームの施工経験が豊富な会社に相談・依頼するのが最も確実です。
提案が得意な会社であれば、見た目の良さについての助言だけではなく、部屋に合わせて、湿気・臭い・防カビ機能などがあるクロスを紹介してくれることもあるでしょう。
例えば、アレルギー体質のお子さんが過ごす部屋には抗アレルゲン壁紙、油汚れが付着しやすいキッチンには掃除しやすいクロス、など、さまざまなプランを柔軟に提供してく
れるはずです。
クロス(壁紙)張り替えでよくある失敗例と対策8選
ここからは、壁紙クロスの張り替えリフォームで実際によくある失敗例についてご紹介します。似たようなミスやトラブルを避けるためにも、上述したポイントを考えながら、しっかり対策してくださいね。
1.隣接した部屋の壁紙がみすぼらしく見える
「壁紙をリフォームした部屋と比べて、隣の部屋の壁紙が汚く見えるようになってしまった」というケースがあります。
予算の都合上、一部の壁紙しか交換しない場合には、隣の部屋の壁と近い色合いのクロスを選ぶと、新旧の差が出にくくなります。
また、繋がりのある部屋の壁と似た色にしておけば、カラーバランスがチグハグになる失敗も防げるでしょう。
2.スイッチや照明器具、エアコンなどの汚れが目立つ
新しい壁紙にリフォームしたら、既存のエアコンや電気のスイッチ、照明器具の色褪せや黄ばみが目立ってしまった、というケースもあります。
新築ではない場合、壁紙を張り替えるタイミングで、家電や照明器具の交換も考えてみることが大切です。
特にエアコンの着脱は工事費用がかかるので、壁紙の張り替えと同じタイミングで交換するほうが効率的です。
なお、天井のクロスは変えずに壁だけをリフォームする場合なども、白い壁紙を採用すると、天井がくすんでいるように感じてしまいます。
どうしても壁のクロスのみを新調したい時は、真っ白な壁紙は避けましょう。
ベージュなどのように、少し色味があるクロスやくすんだ色合いの壁紙を使うと、しっくりきます。
3.壁紙をリフォームした直後に家電を新しくした
エアコンがある部分の壁紙を交換する時、一度エアコンを取り外すと作業費が+2万円ほどかかります。
そのコストがもったいなくて、エアコン本体は外さずに周囲の壁紙だけを張り替えたところ、間もなくしてエアコンが故障したケースがあります。
エアコンを交換しにいったら、一回り小さいサイズの商品しかなく、元々使っていた商品の跡が悪目立ち。
結局、以前張り替えなかったエアコン周りの壁紙も替えることにしたものの、以前の商品が廃番になっており、在庫もなしという状況です。
仕方なく近いデザインの物で代用してみると、ツギハギみたいで体裁が悪くなり、最終的にリフォームしたばかりの壁紙を全体的に交換する結果となりました。
これはエアコンに限った話ではなく、冷蔵庫や天井の照明を交換した時にも発生しやすい失敗例です。
大型家電を動かすのは面倒ですが、交換が必要になった場合、流通しているのはほぼ小型の商品ばかりなので要注意です!
また、カーテンレールを交換した場合にも、新しい壁紙にビスの跡が残るということがあります。
家電・家具に限らず、壁まわりの部位も交換する予定がないか、リフォーム前に再チェックしておきましょう。
4.壁紙の張り替え後、内装の塗装費が割高に
壁紙をリフォームした後、今度は窓枠などの汚れが気になってしまった、というパターンも。
塗装業者を呼んで、窓枠の塗り直しを依頼したところ、壁紙の張り替え後の塗装工事というのは繊細で手間になるため、工事費が思った以上に高額になってしまいました。
壁紙を張り替えるついでに、先に窓枠の塗装も済ませておけば、効率的なリフォームができたのです。
壁紙を張り替える時には、一緒にリフォームしたい箇所がないかを先に確認しておいた方が、工事時間もコストも削減できる可能性が高いです。
5.リフォーム直後、側に置いてあったパソコンが不調に
パソコン部屋の壁紙のリフォームを実施した際、業者がパソコンにビニールをかけてくれたので安心していたところ、無事に工事が終わり、いざパソコンを使おうとしたら「電源を入れても動かない!」という問題も実際にあった例です。
工事中に発生するホコリが、いつの間にかパソコンに入りこんで動かなくなってしまったのです。
壁紙の交換時には、想像以上に細かいホコリが出てしまいます。
他にも、ホコリでスリッパなどが汚れてしまったというパターンもあります。
6.壁紙の糊が乾く前に触ってしまい、シワになった
張り替えた直後の壁紙というのは、壁との間に凹凸ができ、浮いているように見えてしまうものです。
「自分で浮いている部分を直そうとして指で押したら、さっそくシワを作ってしまった」という例があります。
壁紙クロスは、乾くときれいに伸びるように施工されているのが一般的なので、施工直後はちょっと気になる部分があっても触らないようにしてくださいね。
万一、工事完了後に気になる浮きがあったら、ご自身では触らず、リフォーム会社に問い合わせてみましょう。
施工不良の可能性があれば、再度訪問してくれるはずです。
7.リフォーム前とイメージが変わらない
「せっかく壁紙を張り替えたのに、無難な色を選んだらリフォーム前とイメージが変わらなくてちょっとがっかり……」という話もよくあります。
壁紙を張り替える際には、リフォーム前と同じ色合いの物を選んだほうが安心感はあります。しかし「少しは印象を変えたい」という場合には、地模様があるクロスを選ぶと、派手になりすぎることなくイメージチェンジできます。
8.柄物の壁紙を選んだら、落ち着かない空間になってしまった
「イメージを変えたくて柄物の壁紙を選んだら、ごちゃごちゃして落ち着かない空間になってしまった」という失敗もよくあります。
柄物を選ぶ時は、部屋のサイズと柄のサイズのバランスを考えましょう。
基本的に、小さい部屋に大柄の壁があると圧迫感が出てしまい、逆に広い部屋に小柄の壁紙を貼ると細かすぎる印象になります。
そのため、大きな部屋には大柄の壁紙、小さい部屋には小柄な壁紙を選ぶと失敗が少ないです。
「壁全体を柄にすると、しつこくなるかも……」と自信がない時は、アクセントとして壁の一面だけに柄物を採用すると、メリハリがつきます。
また、壁のように大きな面積の部分に柄を取り入れたい場合は、カーテンやソファなどのインテリアは無地のシンプルな物を選ぶと、見た目がすっきりします。
【この記事の要点】
①壁紙を張り替える費用相場は?
基本的には、1平米あたり1,000~1,500円です。
安価な壁紙クロスであれば、もう少し価格を抑えられることもあります。壁紙クロスの張り替え費用についてはこちらで詳しく解説しています。
ただし廃材処分費が別途かかるケースが多く、また家具を移動してもらう場合には作業料金がプラスされます。
②クロス張り替えをする時期やポイントは?
一般的に、壁紙の張り替え時期は5〜10年程度が目安です。壁紙クロスの張替え時期についてはこちらで詳しく解説しています。
尚、壁紙のリフォームを実施する際には、家全体の壁紙や、照明・窓枠なども同時に交換することをおすすめします。
③壁紙クロスを張り替えたときにありがちな失敗と対策は?
「壁紙を張り替えた箇所の、周囲の照明器具やエアコンなどの汚れが目立つようになった」「柄物のクロスを選んだら、落ち着かない空間になってしまった」など、よくある失敗例についてはこちらでご紹介しています。
これらの失敗を防ぐための方法についても解説しているので、ぜひチェックしてください。
壁紙は面積が広いため、リフォーム時はわからないことが多いと思います。
しかし、要点を押さえておけば失敗は少なくなるはずです。
この記事を参考にして、素敵なお部屋にしてみてください♪
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